新緑がキラキラと輝く季節になりました。
いわき市の花、アザレアが色とりどりの花をつけています。
「いわきオーガニックコットンプロジェクト」で4月末に遠野町為朝集落で行なったポット播きのコットンの種たちは、元気に芽を出しました。
昨日は、いわき市植田町の福島県立磐城農業高校を訪ねてきました。
これからプランターでの綿花栽培を始める久之浜地区内の小中学校に対して、栽培指導を行なって頂けないかとのお願いをする為です。
農業高校の生徒の皆さんに直接指導して頂けたら、児童生徒の皆さんが栽培に関心を持つ度合いもずっと高まるだろうと考えてのことです。
初めてお会いする先生にこちらの思いが上手く伝えられるか不安に思いながら、小高い丘の上にある高校までの急な坂道を登りました。
何年か前に訪れたことのある学校です。
校舎の正面に廻って、初めて立ち入り禁止のロープと張り紙に気付きました。
そういえば、この高校も地震被害があったのだということを思い出しました。
ちょうど下校時間で、「こんにちは」と元気に声を掛けながら通り過ぎる生徒たちの一人に、職員室の場所を尋ねました。
プレハブの校舎が奥に建てられていると言います。
折悪しく降り出した小雨の中、プレハブ目指して歩き出すと、傍らに屋根ごと崩れ落ち、立ち入り禁止のテープの貼られた木造の建物がありました。
殆ど手を入れることも出来ずにあるのでしょう。
天井から垂れ下がった角材も外れた壁もそのままに雨に濡れている姿は、震災直後の映像のビデオテープを強制的に巻き戻しさせられているような気持ちを抱かせました。
後で伺った説明では、県内の高校で200億円といわれる被災額のうち、30億円がこの磐城農業高校分なのだそうです。
丘を削り埋めて建てられた高校の敷地の一部は、昨年4月の直下地震の為2mもズレてしまっているとのことでした。
震災から、1年以上を経過して尚、被災当時のままの崩れた建物をこのような場所で目にするとは全く想定していませんでした。
いわきの明日を創生する為の大きな原動力なるに違いない高校生の学び舎に、そうした一角が今も残っていることに釈然としないものを感じました。
大きな港を整備することも、道路を修復することも大事なことです。
しかし、「心」を修復することを置き去りにしていわきは前に進めないと思うのです。
それが若者の「心」であればあるほど…。
対応して下さった先生は、熱心に私たちの説明に耳を傾けてくださいました。
ご自身の栽培体験から、いわきでの綿花栽培が簡単ではないことをご指摘くださいました。
それでも私たちがこのプロジェクトを進めたい理由に、頷いてくださいました。
スタートしてしまった今年度の学校スケジュールに盛り込み、生徒の皆さんが関わることには困難があると言いながらも、校内での検討を約束してくださいました。
いわきの農業の将来を熱く語る先生の言葉に、エネルギーを頂くひと時でした。
人が人を育て、地域の復興を成し遂げていくのだと改めて思い知らされたひと時でした。
「心」が何にも代えがたいと感じたひと時でした。
吉田恵美子
特定非営利活動法人 ザ・ピープル 理事長